クーリングオフとは一旦申し込んだ契約を一定期間なら「やっぱりやめた!」と取り消せる仕組みです。
一般的には通信販売で用いられます。また、語学学校やエステなど、継続的に費用が発生する契約についても対象となります。
クーリングオフは訪問買取にも適用されるので、業者を呼んで行うバイク買取もクーリングオフの対象となります。
目次
訪問しての買取には多くの規制が有る
クーリングオフは物を買った時だけではなく、売った時についても適用になる場合があります。
いわゆる押し買いなどの防止策として、2013年の特定商取引法改正で適用範囲が広がりました。
特定商取引法では次のような行為は全て違法とされています。
- 売らないと明確に伝えたにも関わらず、買取交渉を続けようとする
- 査定だけとの約束であったのに、その場で買取の勧誘を始める
- 買取にはクーリングオフが適用されることを書面で説明しない
これらの規制に違反した無理な買取が行われた場合に備え、クーリングオフ制度が設けられています。
バイク買取にクーリングオフが使える期間は8日間
クーリングオフが出来る期間は、売買契約の成立日を含めて8日間です。
この間であれば、「やっぱり売るのを止めます。お金は返しますからバイクを返してください。」と言えるのです。
但し電話やメールで伝えることは出来ません。きちんとした書面で申し出なければいけません。
この定めは政府のHPにも記載されています。
訪問購入の際、売買契約の相手方が契約を申し込んだり、契約をしたりした場合でも、法律で決められた書面を受け取った日から数えて8日間以内であれば、相手方は事業者に対して、書面により申込みの撤回や契約の解除(クーリング・オフ)をできます。
なお、事業者が、クーリング・オフに関する事項につき事実と違うことを告げたり威迫したりすることによって、相手方が誤認・困惑してクーリング・オフしなかった場合には、上記期間を経過していても、相手方はクーリング・オフをできます。(クーリング・オフを行う際には、後々のトラブルをさけるためにも特定記録郵便、書留、内容証明郵便等で行うことが薦められます。)
クーリングオフを適用した場合のバイクの返却については、法律上は買取店の負担で行うこととされています。同じく消費者庁のHPの記載です。
クーリング・オフを行った場合、相手方は、すでに物品を事業者に引き渡していたり、代金を受け取っている場合には、事業者の負担によって、物品を返却してもらったり、代金を返却することができます。代金の利息を返却する必要はありません。また、相手方は損害賠償や違約金を支払う必要もありません。
但し、訪問買取だけが対象です。自分でバイク店にバイクを持ち込んで売った場合にはクーリングオフの適用対象とはなりません。
クーリングオフは最後の手段です
このようにクーリングオフと言う制度は、極めて消費者にやさしく、事業者に厳しく定められています。
だからと言って安易にクーリングオフを行ったり、行う前提で買取査定を依頼することは行わないで下さい。クーリングオフが増えれば、業者の経費は自ずと増えますので、その他の顧客のバイク買取価格が引き下げられることになります。
クーリングオフの乱用でバイク買取業界の発展が阻害されれば、そのデメリットは巡り巡って何れは自分に返ってくるかもしれません。
クーリングオフしてもバイクは返されないかもしれません
クーリングオフに関しては、以下のルールにも注意が必要です。
クーリング・オフを実行した場合、契約解除の効果は第三者に及ぶことになります。(ただし、第三者がクーリング・オフされる可能性があったことについて善意かつ無過失であった場合を除く。)
この文章はこのような意味です。「クーリングオフを申し込んだ時点でそのバイクが買取会社(A社とします)から既に他の会社(B社とします)に転売されていた場合には、A社はB社からはバイクを取り戻して売主に返さないといけません。しかしB社がクーリングオフ対象のバイクであることを知らなかった場合には、B社はバイクを返す必要はありません。」
つまりクーリングオフすれば、絶対にバイクが戻るということではないのです。
買主が既にバイクを転売済みで、転売先がクーリングオフとなる可能性を知らされてなければ、バイクは戻りません。
この場合、バイクの売主はA社がバイクを戻せなかったことに対しての損害賠償請求を行うことが出来ますが、請求できる金額はバイクの時価相当額にしかなりません。
恐らく損害賠償請求に要する弁護士費用の方が高くなるでしょう。
クーリングオフは悪意を持った業者の押し買いや、説明を十分に行わない業者から消費者を守る為の制度です。キチンと説明を行い、法に則った買取を行う業者にむやみに使うべきものではありません。