Super Minimum Challengeは現在(8月29日)ソルトレイクフラッツでの本番中。来年の50ccでの本番に備え、データ取得のために125ccのバイクを走らせています。
その進捗情報が全く入ってこないことにやきもきしながら過ごしていますが、現時点で分かっていることを纏めます。
目次
下町バイクのベースはホンダ RS125 NF4
今回、ボンネビルを走る車両はホンダのRS125 NF4がベースです。
この車両はオートバイ世界選手権参戦と量産の両立を目指して開発され、1987年にデビューしています。
NF4の生産はそれまでの鈴鹿サーキット内にあったHRC施設からHondaの浜松製作所に移管されたのだが、量産性とレーシングマシンとしての精度保証を両立するために、市販車とは異なる組立・加工を実現する生産ラインを設計する必要があった。
また、コストの面では、当時出回り始めた新しいアルミ素材の導入や、あえてプロリンクではなく構造が簡素な直押し式のカンチレバーとしたリアサスペンションなどを採用した──こうしてRS125RはGPへ送り込まれ、その存在を不動のものとする時代が始まることになる。
下町バイクの佃製作所は神戸のバイク屋さん
今回の車両を制作したのは、神戸にある「キタガワモーターサイクルズ」。関東在住の私には聞いたこともない会社です。
それもそのはず、これが店舗です。
「いやいや、いくら下町といっても程度ってものが有るでしょう。」と思ったのですが、今年の4月に規模を大きくされています。
しかしそれでも小規模な店舗です。これでは人海戦術すらとれません。開発者は相当の覚悟で挑んだのでしょう。
キタガワモーターにボンネビルの話が持ち込まれたのが今年の4月中旬。当初のオーダーは3ヶ月弱で制作を終え、船便で米国へと発送し、8月にボンネビル・ソルトレイクフラッツへ到着させる予定でした。
しかし短納期すぎるために、船便を航空便に変更して開発時間を1か月増やしています。
日経新聞に記事が掲載されたのが7月19日ですから、その段階で既に本来の発送予定時期にあったわけです。
実際に車両が完成してキタガワモーターから運び出されたのは8月4日です。この間の開発過程がキタガワモーターのブログに掲載されています。現場の試行錯誤と関係者の心意気が伝わってきます。
こういう店には是非とも頑張って発展してほしいと、心から願っています。
完成したバイクは成田まで自分で輸送 そしてソルトレイクへ
最終的に車両が完成したのが8月5日。
出来上がった車両はその日のうちに企画者兼監督兼ライダーである近兼氏に引き渡され、彼が自分で神戸から成田まで輸送し、その後飛行機に積み込んでいます。
いよいよSMCマシンを成田に搬送中。あとふた頑張り…くらいかな? pic.twitter.com/UUalKDMvej
— Dr.Taxi(近兼拓史) (@WWN_JPE) 2018年8月5日
そして車両は無事にソルトレイクへ到着しました!
監督・近兼拓史氏 本番直前インタビュー
Sportivaさんが素晴らしい記事を掲載していたのでご紹介します。日経新聞の報道では良く分からなかったことがたくさん書いてあります。
【今回挑もうと思ったのは、50ccの雄たるホンダが2008年にイタリア企業が記録した世界最高速を10年もスルーして動かなかったから。】
【製造業のみなさんを応援していたら、いつの間にか応援される立場になり、背中を押していただいた】
インタビューはこちらからどうぞ。
さて結果は?
待ち遠しいですね。情報が分かり次第続報を出します。