バイクを売る方法は4つあります。
- バイク買取一括査定を通じて売る
- バイク買取専門店に売る
- そのバイクを買った店に買い取ってもらう
- 個人に直接売る
この記事ではそれぞれの売り方の特徴から、どの方法がどのような方に最も合っているか? 後悔しないか? を考えてみます。
目次
バイク一括査定のホントのところ
バイクの買取で「最低●社から見積もりが届きます」とうたっているのが「一括査定」です。
専門のサイトに売りたいバイクの情報を登録すると、複数の業者が見積もり価格を提示してくれます。
一括見積だと高値で売れるという「ウソ」
一括査定は大変便利な仕組みですが、この方法を使うには注意が必要です。一括査定の仕組みと特徴を理解し、上手に使わないと手間を増やすことにしかならないからです。
残念ながら「一括見積」は値段が高い会社が連絡をしてくる「オークション」ではありません。単なる早い者勝ちです。
もともと一括査定は顧客の為の仕組みではありません。顧客への訴求力を持たない会社を束ねて、そこに顧客の情報を提供することで、情報提供料を得るというビジネスモデルなのです。一括査定は顧客側ではなく業者側を向いたサービスです。
一括査定の仕組みはさながらビーチフラッグです。一番早く顧客とコンタクトを取った者が交渉権を得るのです。
見積もりを提示できるのは、早く連絡を取れた業者なのです。決して最高値を出せる業者ではありません。
出典 : Sanyo Lifesaving Cup
一方で顧客側は何を期待して一括見積を行うのでしょうか?
多くの場合、オークションをイメージしているはずです。何人もの業者がだんだんと入札額を吊り上げていく方法です。当然高値を希望しているでしょう。
この現実と認識のギャップが多くの不満を生んでいます。一括査定に依頼すれば、自動的に一番高い値が付くと考えてしまっているのです。
確かに一括査定は高値を付けるための有効な手段なのですが、自動的に高値が付くわけではありません。
このことを知っていないと、いくらで売れたとしても価格に満足することはできないでしょう。
バイク買取一括査定に依頼するメリット
一括査定の業者は早い者勝ちで連絡してくるだけに、バイクを買う意欲が旺盛です。
業者に買取意欲が有るのは当たり前と思うかもしれませんが、実は特定の車種の買取意欲が旺盛なバイク店を特定の地域で探すのはかなり難しいのです。
その点、一括査定を使用すれば自動的に買う気が有る業者だけを選定することが出来ます。
あなたのバイクを買い取りたい会社を自分で探す手間をゼロに出来るのです。
一括査定を選ぶべき人
一括査定を使って満足が得られる方は、多数の業者と対応してでも高く売りたいと思っている方です。
繰り返しになりますが、一括査定はオークションではありません。黙っていても値は上がらないのです。
値を上げるためには常に交渉が必要であるということを忘れないでください。これが分かっていないと何社と対応しても結果は単なる運任せにしかなりません。
交渉は最低でも3社程度と行い、それぞれの提案価格を比較してから売り先を決めましょう。
バイク買取専門店のホントのところ
「バイク買取専門店」、よく考えると不思議な名称です。買うだけで売らない店が成り立つのでしょうか?
買取専門というコンセプトを普及させたのはガリバー(現㈱IDOM)ですが、私も初めてガリバーの店舗を見た時は衝撃でした。
それまでの中古販売店と違って、店頭に車が陳列されていないのです。店も店舗と言うより事務所で、従業員も居るのか居ないのか、、、商談スペースすらありません。
一体何をして利益を出しているのか、不思議に思ったものです。
バイクの買取専門店も同じような店舗です。バイク少ししか置いていません。
実際には買取専門店は買取だけをしているのではありません。当然買い取ったバイクを売っています。
しかし売る先が違うのです。以前の中古販売店は買い取ったバイクを、一般客に売っていましたが、買取専門店は、同業者に売ります。
バイク買取専門店を正確に言うなら「中古バイク仕入れ代行店」或いは「中古バイク仕入れ専門店」というところでしょうか。
バイク買取専門店は大規模でないとメリットが出せない
バイク買取専門店は企業規模が大きくないとメリットが十分に生かせないという根本的な問題があります。
その原因の一つは仕入れたバイクを売る先にあります。バイク買取専門店が仕入れたバイクの多くはバイク業者専門のオークションに出されます。オークションの買手はバイクの専門家ですから、バイクの良し悪しも人気も全て見通されています。そのため価値が低いバイクを高く売ることは出来ません。1台当たりの利益が低くなり易いのです。
1台当たりの利益が低いために、バイク買取販売店に次の2つの努力が求められます。
1.買取の作業を効率化し、仕入れの手数料を抑える
買取の作業を効率化すると買取に要する単価が下がり、オークションで高値が付かなくても利益が出るようになります。
2.仕入れの台数を増やすことで無駄を省き、市場シェアを得る
仕入れの台数が増えると「買取→転売」というサイクルが絶え間なく動くようになります。その結果無駄がない運営が行え運営コストが下がります。更に台数が増えれば、ある程度市場の価格をコントロールできるようにもなります。
規模が大きくなれば、バイクを販売できる先はオークションだけに留まらなくなります。自社での販売や海外への輸出などにも挑めるようになるのです。
この規模に達するまでは、買取専門店はかなり厳しい営業を続けなければなりません。当然、買取価格も抑えざるを得ません。
しかし一旦規模が出来上がってしまえば、安値仕入れに頼らない運営が出来るようになります。
バイク買取専門店に依頼するメリット
バイク買取専門店のメリットは「安心して任せて良い」ことです。
一括査定とは違って1社とじっくり交渉が出来ますし、買取・廃車・名義変更・振込・書類授受など、殆どの手続きがマニュアルに従ってスムースに執り行われます。
バイクを売るのが初めてであったり、時間が取れず十分な準備が出来ない方にとって「見ていて安心できる対応」は大変心強いものです。
この「安心できる対応」がバイク買取店を選んだ時の最大のメリットです。
バイク買取専門店を選ぶべき人
バイク買取専門店を使って満足が得られる方は、何よりも余計な心配や手間をかけずにバイクを売りたい方です。
バイク買取専門店を選ぶ際には、出来るだけ大手を選びましょう。先に記した通り大手でなければ買取専門店のメリットを十分に得ることが難しいためです。
買取専門店は、買取だけでなく、その後の手続きもしっかりしていることが多いので、おかしなトラブルに遭う事もありません。
そのバイクを買った店に買い取ってもらう
最も安心出来るのがこの方法です。既に顔見知りの方に対応してもらうのですから、これ以上の安心は有りません。
一方で価格面では最も期待できない方法です。
バイク店からすれば、売れるかどうか分からないバイクを在庫として引き受けるのです。
バイク店に並んでいるバイクは基本的にバイク店が買い取ったバイクです。バイク店は「このバイクは売れる」と考えるから買い取るのです。
一方で買取を依頼する場合には、売れるかどうかではなく「お付き合い」での買い取りとなりますから、強気な値付けは出来ないのです。
但しこの場合には値段交渉は先ず出来ません。
「自分で廃棄するよりは、手間がかからない」と割り切って依頼しましょう。
個人売買でバイクを売る
ここ数年で個人売買はかなり手軽に使えるようになりました。自分にとってはゴミでしかないものに、驚くような値が付くことも珍しくありません。
しかしバイクや自動車が個人売買で高く売れることはあまりありません。
売ろうとしているバイクが一部のマニアを熱狂させるような車種であれば話は別ですが、多くの場合にはバイク買取よりも安く買い取られます。
その最大の理由は、ヤフオクなどの個人売買でバイクを探す方の多くが、バイクにお金を掛けたくない、或いはかけられない方だからです。
お金を出したくない方が多く居る市場にバイクを出品したとしても、高値が付くはずがありません。
個人売買は自分の知っている方へ売る場合に限った方が良いでしょう。例えば中古査定を一度受け、その値段で知人に譲っては如何でしょう。
自分にとっては何ら損はありませんし、知人にとってはかなりお得な買い物になるはずです。そのバイクをどれくらい大切にしてくれるかも予め分かります。
詳しくはこちらの記事に記しています。
バイクを売るなら、先ずはどう売りたいかを考えて!
これまで見て頂いたように、同じ「バイクを売る」でもどこに声を掛けるかでその後の流れが全く変わってしまいます。自分にとってどちらのタイプが合っているのか、先ずはその点を考えて下さい。
バイクを売ってその結果に満足できるかどうかは、何を求めてバイクを売るのかによって違います。高く売れることが何よりも大切な方と、手間なく安心して売れることが大切な方とでは当然選ぶべき業者も変わってきます。
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- 交渉してでも高く売りたいなら「一括査定」
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- 手間なくスムースに売りたいなら「バイク買取専門店」
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- 手間さえ省ければ、値段には期待しないなら「買ったバイク店に依頼」
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- 「個人売買」は友人や知人に譲る時だけ
先ずは自分が何を第一優先と考えるのか、その為にはどこに声をかけるべきかを考えてみて下さい。