ハーレーがハーレーでなくなる日
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ハーレーダビッドソンが大きな岐路に立っています。

創業以来116年、一貫してマッチョで、豪快で、ビッグサイズのアメリカを体現してきたハーレーですが、今後は全く違った会社になるかもしれません。

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ハーレーの利益が半分に!

昨日(19年1月30日)衝撃的なニュースが入ってきました。アメリカを象徴するハーレーがアメリカで売れなくなり、利益が半分になったというのです。

米二輪車大手ハーレーダビッドソンが29日発表した2018年10~12月期決算は、純利益が前年同期比94%減の49万ドル(約5400万円)だった。

米国やアジアで二輪車の販売が落ち込み、世界販売が前年同期比から7%減少した。欧州と中国による輸入関税の引き上げも響いた。

10~12月は全体販売の5割を占める米国市場で10%減、アジア・太平洋も6%減と低迷した。

売上高は6.8%減の11億4500万ドル。欧州と中国による追加関税が3カ月で1340万ドルの負担増となり、利益を押し下げた。

18年通年の販売台数は17年比6%減の22万8000台だった。

米国を中心に先進国で若者の二輪車離れが進んでおり、19年の販売は18年比3~5%減の21万7000~22万2000台を見込む。

ハーレーはトランプ政権の通商政策で最大の被害を受けた米企業のひとつだ。

18年3月の鉄鋼・アルミニウムの輸入制限によって生産コストが上昇。欧州連合(EU)が6月に米国製二輪車に25%の追加関税を課したことで、輸出車1台当たり2200ドルのコスト増となった。

市場の縮小や関税負担を踏まえ、同社は米国の生産の一部を国外に移す計画を打ち出している。

国外への生産移管に対してトランプ大統領は「関税を言い訳にしている」と猛反発しているが、マシュー・レバティッチ最高経営責任者(CEO)は「米国市場は困難な状況が続いている」として国内生産を減らす考えを改めて示した。

そもそもバイク離れが進んでいる中で、トランプ大統領の愚策により、強いアメリカを全世界に印象付けているハーレーが苦境に立たされるとは...なんという皮肉でしょう。

ハーレーファンがハーレーを滅ぼす!?

実はトランプの失策が無かったとしても、ハーレーの業績は下降線であった可能性が高いのです。その理由の一つは、ハーレーのブランドイメージが岐路に立たされていることにあります。

ハーレーが持つ「強い男が乗るバイク」というイメージが「強いと思われたい・・・・・男が乗るバイク」に変わってきたというのです。

この傾向について、慶應義塾大学の白井美由里教授が大変面白い分析を行っています。教授が寄稿した「消費者行動のインサイト」を引用します(分かり易くするため、一部書き直しています)。

多くの人は、自分がどういった人間なのかを周りに示したい、わかってもらいたいと思っています。

ただし、そのイメージを言葉で直接伝えるのではなく、ファッションやヘアスタイルなどを通してさりげなく示そうとします。

例えば、ハーレーに乗っている人の多くが一見してタフな男性たちだったとします。すると、ハーレーには「タフな男」というイメージが定着するので、ハーレーに乗ることによって自分は強い男だと示す事が可能になり、強い男たちがこぞってハーレーに乗るようになります。

 

これがまさしくヘルズエンジェルスのようないわゆる「粗野で、強くて、男臭い」ハーレーだったわけです。

ヘルスエンジェルスの皮ジャケットを着た多数のライダーがハーレーに乗って走っている写真。DARRYL DYCK / THE CANADIAN PRESS

ところが状況は変わりつつあります。

白井教授はこのように続けます。

しかし、ここでハーレーに乗っているタフな男たちとは違った人たちが、「タフに見られたい」という動機からハーレーに乗り始めるようになります。

すると次第にハーレーに乗っている人には「タフな男」と「タフじゃないけどタフに見られたい男」が混在するようになります。

その結果ハーレーが持っている「タフな男が乗るバイク」というイメージが失われ始めます。

そのイメージの変化が進んで、本当にタフな男性たちがハーレーに乗らなくなると、ハーレーは「タフな男に憧れを持つ男、タフになりたい男が乗るバイク」というイメージに変わってしまうのです。

現在のハーレーはこの状態に近付きつつあります。

20世紀にハーレーに乗っていたライダーは、本当にタフでした。肉体的なタフさだけではなく、社会的に成功していたり、私財をなげうってでもハーレーに没頭するような精神的にタフな方も多くいたでしょう。

ですが、ハーレーがその「屈強なアメリカ」「タフな男の象徴」というイメージを強く打ち出し、バイクと共にライフスタイルを売ることで、販売網と販売数を増やした結果、ハーレーは誰にでも手が届き、手軽にタフさを訴えられるツールと化してしまったのです。

そしてついには「乗っている人はタフになりたい人」というイメージが出て来てしまい、「乗りたいのはバイクじゃなくてハーレー」と思わせる魅力が薄くなってきたことが今回の売り上げ減少を招いているのです。

ブランドイメージの変化は避けられない

このようなブランドイメージの変化は他社でも見られます。最近ではカワサキが良いケースでしょう。

かつてカワサキは「角ゼット」に代表されるように、厳つい漢バイクというイメージでした。

赤いカワサキZ1000 MkⅡの画像。 角ゼットと呼ばれるように、燃料タンクが角ばっており、武骨な印象を与える。

角ゼットこと、Z1000 MkⅡ

 

しかし今では、Ninjaのような時代に即したバイクも多数販売しています。

カワサキの原稿バイク、ニンジャの画像。風を切り裂くような鋭利なデザインになっている。

Ninja 1000

カワサキが現代的なデザインを多く出した時にも、「カワサキは変わった」と言われました。

しかしカワサキが「漢カワサキ」というイメージを前面に出して販売活動を行ったことは無かったように思います。

一方でハーレーは明らかに「ライフスタイル」を売ってきました。そのためイメージの変化に受ける影響も大きくなります。

 

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ハーレーの買取価格が下がってきた

ここでもう一つ興味深いデータを紹介します。中古バイクの販売サイトであるウェビックが集計している、バイク買取価格の動向調査です。

先ずはハーレーの買取価格を見てみましょう。

ハーレーの ソフテイル カスタムの買取価格推移グラフ。 緩やかな下降線を示している。 ハーレーのファットボーイの買取価格推移グラフ。 一旦は上昇するが直ぐに急落し、その後は緩やかな下降線を示している

ハーレーのソフテイル スリムの買取価格推移グラフ。 途中まではほぼ安定しているが、最近は緩やかな下降線を示している ハーレーのロードキングの買取価格推移グラフ。 前半は上下動が大きかったが、後半は緩やかな下降線を示している

ハーレーのソフテイル ブラックアウトの買取価格推移グラフ。 全期間を通じて安定している。 ハーレーのファットボーイ ローの買取価格推移グラフ。 ほぼ安定していたが直近のみ緩やかな下降線を示している

ハーレーのFLDの買取価格推移グラフ。 途中までは若干上昇傾向であったが、最近は一段下がり、下がったのちの水準を維持している

多くの車種の買取価格が右肩下がりなのがお分かり頂けるでしょうか。

ハーレーの買取価格は下がってきているのです。

国産アメリカンの価格は下落していない

次にハーレーと似た形状の、国産バイクの価格傾向も見てみます。

ヤマハ Boltの相場変化


https://www.yamaha-motor.co.jp
ハーレーの買取価格推移と対照的なヤマハBOLTの変動グラフ。全期間を通じて安定している。

ホンダ ゴールドウィングの相場変化

https://www.honda.co.jp

ハーレーの買取価格推移と対照的なゴールドウィングの買取価格変動グラフ。一時下げたが直近は上昇している。

スズキ ブルーバードの相場変化

http://www1.suzuki.co.jp

ハーレーの買取価格推移と対照的なスズキブルーバードの買取価格変動グラフ。買取価格変動グラフ。一時下げたが直近は上昇している。

このように国産のアメリカンバイクの買取価格はほぼ一定です。

つまりアメリカンバイクの人気が下がっているのではなく、ハーレーの人気が下がっているのです。

この傾向の裏には、ここ数年ハーレーが売れ過ぎたという理由もあるでしょうが、ハーレーのブランドそのものの魅力が薄らいできた結果でもあるのです。

ハーレーの自己否定が始まった

白井教授はブランド価値を維持する方法をこう述べています。

売り手はいくつかの選択肢、あるいはカスタマイゼーションを提供することによって、ほどよい差別化を求める消費者のニーズに応えることができると言えます。カラーやデザインは人気の高いものや流行のものだけに限定しないほうが、ターゲットとする消費者をより多く惹きつけられる可能性が高くなると思われます。

要は「売れ続けたいなら、人気がある物だけを売るのではなく、人気が無いものも一緒に売らないとダメだ」と言っているのです。

ハーレーはこのことに気付いています。

既に自社のブランド力の低下に気付いています。

人気のアメリカンタイプからの脱却を図っています。

その最大のターニングポイントが、間もなく発売される電動バイク『Livewire』です。

ハーレーの新機軸 電動バイク ライブワイヤーの画像。オレンジの車体でアメリカンタイプではなく、ネイキッドに近いスタイルである。https://www.harley-davidson.com

まず、デザインに大きな変化が見られます。

さすがに一気に方向転換はしないまでも、足を前方に出して背もたれに体を預けて走るようなアメリカンタイプではなく、前傾姿勢で乗るロードタイプに近くなりました。

https://freedom.harley-davidson.co.jp

ハーレー ライブワイヤーの乗車ポジション。ネイキッドスタイルの典型的な直立的ポジションでのライディングである。

https://www.topspeed.com

 

更に特筆すべきはエンジン音です。電動バイクはエンジン音がしません。

ハーレー愛好家が最も強く執着する、あのエンジンサウンドをハーレー自ら否定したのです。

 

これからのハーレーは「アメリカのバイク」「タフな男のバイク」というイメージを壊すラインナップを増やしてくるでしょう。

そうしないと、成長した企業と販売網を維持するのが難しいのです。

皮肉ですね。他にはないブランド力で成長した企業が、そのブランド力ゆえに、自己否定を余儀なくされるのですから。

ハーレーに乗りたいなら、チャンス到来! 売るなら急げ!

これまで見て来たように、ハーレーのイメージは変わりつつありますし、今後はハーレー自身がその流れを加速させるでしょう。

これまでのような「ライフスタイル」に繋がるイメージは薄らいで行きます。

既に「タフに見られたい男のバイク」というイメージが付き始めているのですから、ハーレー自身にとっても「ライフスタイル」を重視する一部の熱狂的なファンに選ばれるのではなく、多種多様な性能や乗り心地で多くの顧客から選ばれるバイクにならないと生き残っていけないのです。

ハーレーを買いたいならチャンス到来!

ハーレーをライフスタイルではなく、性能や乗り心地で選ぶ方にとっては好機到来です。

ここ数年のブームの余波で、中古市場ではハーレーの在庫が積みあがりつつあります。それに加えてライフスタイルだけでハーレーを選ぶ人も減ってきています。

今後中古の価格は更に下がるでしょう。

既に市場には高額なオプションパーツが付いた中古が魅力的な価格で並び始めています。1年前より選べる幅が確実に広がっているのです。

買手にとってはまさに好機到来です。

ハーレーを売りたいなら

ハーレーから他のバイクへの乗り換えを検討していたり、バイクを降りようと考えている方は少々覚悟が必要です。

これまで見て来たように、買取価格が下がってきているのは一時的な現象ではなく、大きな流れの中で起こっていることなのです。

ハーレーを売る時期を決めかねている方は、早めに動いた方が良いと思います。

先ずは現在の市場価格から調べてみては如何でしょうか。

今すぐに売る予定が無くても市場での価格、売却したときの価格を知っておくことは、今後の参考になります。

例えばバイク王には無料お試し査定、という制度があり、自宅住所を明かさずに参考価格の提示を受けることが出来ます

今後もずっと今のハーレーに乗り続けるのであれば、価格を調べる必要は無いですが、少しでも乗り換えなどを考えているのであれば、買取価格は今後の検討に欠かせない情報となるはずです。

バイク王 お試し無料査定へのリンクボタン

 

 

バイク王_アメリカンバイク

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