バイクを売る先を選ぶために、バイク買取店の口コミを調べる方も多いでしょう。ですがバイク買取店の口コミは他のサービスの口コミとは少し違います。同じバイク買取店の口コミなのに評価がバラバラで、良い会社なのか悪い会社なのか分からなくなっているなら、その違いに気付いていないからです。
目次
口コミが役に立つ3条件
口コミが役に立つ為には3つの条件が有ります。
- 店が同じ
- 価格が同じ
- 商品が同じ
この3つが定まると、口コミを書く側と読む側の視点が揃ってきます。ですが、バイク買取の口コミはこの3つが揃うことがまずありません。そのことが分かっていないと、口コミを読んでも全く役に立たなくなってしまいます。
あなたはマクドナルドの口コミを調べますか?
先ず質問です。あなたはマクドナルドの口コミを調べますか? あるいはユニクロでも良いです。調べるでしょうか?
恐らく調べないでしょう。口コミを調べるのは、知らない店に行く時ではありませんか? レストランや洋服店でも行ったことの無い店の評判を調べるのが一般的でしょう。仮にチェーン店の口コミを調べるとしても、「新宿店」のように店舗まで固定して調べているのではないでしょうか? 「マクドナルド 口コミ」とか「ユニクロ 口コミ」というような調べ方はしないと思うのです。
ではなぜバイク売却だと「バイク王 口コミ」とか「バイクランド 口コミ」などの大きな枠で調べるのでしょう? 本当なら「バイク王 ●×店」「バイクランド △■店」というように調べるべきなのです。 店舗を指定せずに調べたのなら、「マクドナルド 口コミ」と同じです。
店舗ではなく、価格や商品について調べるとしても注意が必要です。
同じ商品を調べるなら、口コミは役に立つ
同じ口コミでも「レンタルのダスキン」や、「ワンデーアキュビュー」などを調べる場合には少し状況が変わります。これらの口コミは店舗を指定しなくても十分役に立ちます。なぜでしょう?
この口コミが役に立つのは商品と値段が同じだからです。例えばマクドナルドの口コミを調べるとしても「ビックマックはおいしいの?」という疑問なら調べる意味があります。ユニクロでも「エアリズムは価格に見合った商品なのか」を調べるなら意味があるのです。ビックマックもエアリズムも、全国どこに行っても同じ商品、同じ価格だからです。
バイク買取の口コミは3つの条件全部が当てはまらない
これまでに記したように、口コミが役に立つには3つの条件が有ります。
- 店が同じ
- 価格が同じ
- 商品が同じ
この3つが合っていない口コミをいくら読んでも、あまり役には立ちません。口コミを書く側と読む側の視点が違うからです。両者の視点が違うと、次ようなことが起こります。
- 東京に住んでいるのに、高知の店の口コミを読んでいる
- 390円のビックマックのことが知りたいのに、1,500円のハンバーガーの口コミを読んでいる
- エアリズムのことが知りたいのに、ヒートテックの口コミを読んでいる
「そんなことするかよ」と笑うかもしれませんが、バイク買取の口コミ調査はまさにこの状態なのです。何故なら、
- バイク買取の口コミで、店舗名まで書いてあることは稀です
- バイク買取はそもそも価格がバラバラです
- 中古バイクはどれも程度が違うので、同じ商品は決して存在しません
如何でしょう?
バイク買取店の口コミ・実は売った人を評価している
このように、バイク買取店の口コミは、その他の商品やサービスの評価とは全く異なります。
ではバイク買取店の口コミを調べてもムダなのでしょうか? いいえ、決してそんなことはありません。バイク買取店の口コミも着目点を変えれば、十分に役に立ちます。
バイク買取の口コミは業者の評価ではなく、売り方の評価として読んだ方がはるかに役に立ちます。バイク買取店の口コミを読むときには、「上手に売れた人」と「売ったことを後悔している人」とに分けて読んでください。うまく売れた人はどのように対応したのか、不満がある人はどうだったのか、そこに着目するのです。どの業者に売ったかに着目してはいけません。バイクを売った側に着目して口コミを読むと、実に色々なことが見えてきます。さらに、口コミを書いた人と自分の目線も合ってきます。「どうすれば高く売れるか」とか「どうすれば手間なく売れるか」というような目線で口コミを読めるようになるのです。
売った人に着目したら、こんなことが見えてきた
売った人に着目して口コミを読むと、今までと違ったことが見えてきます。ご参考までに私が売り手に着目して口コミを調べたことで、見えてきた傾向を記しておきます。
目的が「高く売る」ではなく「簡単に処分したい」という方は高い評価を出しています。
複数の業者に見積もりを依頼した方は評価が高い傾向にあります。なかでも何社かを一度に読んで、同時に見積もりを行わせた方は、例外なく高評価です。ですがこれは買取業者の評価ではなく、自分や売却方法への評価だと思います。結果的にどのバイク店が買ったのかは、あまり意味が有りません。そのことが分かっていないと、この種の口コミは読み手に取って有害な意見となります。
「低い金額でも、簡単に手離せるならいい」と考えれば不満を抱くことも無かったのでしょうが、古いバイクを高く売りたいと考えてしまうと、評価は低くなります。自分のバイクの市場価値を把握できていない典型的な例です。
口コミが古いか新しいかは重要ではない
バイク買取の口コミについて、「古い口コミを読んでも意味が無い」という意見を良く目にします。この意見はある側面では当たっています。
SNSの普及により、1従業員の失態が瞬く間に拡散し、会社の経営に悪影響を与えてしまうことも珍しくなくなりました。顧客の評価は過去に例が無いほどに重要視されてきており、各社ともその対応に知恵を絞って接客方法を常に改善しています。そのような背景を考えると、古い口コミに意味は無いというのも誤りではありません。
ですが「売主に着目した読み方」で読んでいただければ、古い口コミも新しい口コミも関係なく役に立つはずです。この読み方だと業者の評判ではなく、バイクを売るときの鉄則が見えるからです。この鉄則とは商売の原理原則に他なりません。
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- バイクを自分の商品として扱う
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- 高く売りたいなら「商人(あきんど)」として、買手と交渉(勝負)しなければならない
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- 交渉が面倒なら、或いは自信が無いなら、そこそこの値で合意すれば不満は感じにくい
少々厳しいかもしれませんが、そもそも商売とはこういうものです。バイクを売るというのは、自分のバイクを業者に売る「商売」に他なりません。
売った方がどのような意識で交渉したのか、あるいは交渉はしなかったのか。
その結果満足できたのか、出来なかったのか。
このような視点で口コミを読めば、これほど為になる情報はありません。